さて、コレは何でしょう?
答え:カルメラを焼く道具
です。
って、タイトル読めばわかりますよね?(笑)
道具屋筋で売っています。
アカ(銅)のお玉と、すりこ木状の木の棒です。
カルメラを焼くお玉は、銅製のものしか見たことはないのですが、銅は熱が均一に伝わるからという理由のようです。
子供の頃に、おじいちゃんに教わって、一度だけ焼いたことがあるのですが、メチャメチャ久しぶりにチャレンジしました。
お玉もどこにいったのかわからないので、改めて道具屋筋まで買いに行きました。(^^)
何故、突然カルメラを焼くことになったのか?
それは、夏休みに遊びに来ていた姪っ子がアレルギーだったからです。
ハイ、これ夏の話です。
スミマセン(^^ゞ
姪っ子はアトピーからくるアレルギーで、卵も乳製品も食べることができないのです。
だから、おやつもチョコレートやケーキ等、女子供の好きなものは食べることができません。
甘いものと言えば、「干しイモ」だの「そばぼうろ」だの極めて地味~なお菓子(身体には良いけどね)ばかりなのです。(涙)
最近、こういう子供って多いですよね?
これ実は、親の食生活が原因であることが多いそうです。
まあ、食べ物の質が変わってきていますから、親の生活習慣だけを責めるのは違うのでしょうけど…。
で、姪のお誕生日に、カルメラを焼いてあげようというわけです。
(カルメラも地味でしょうか…?)
カルメラの焼き方
さて、焼き方ですが、ザラメと白砂糖を半々ぐらい(ザラメは無ければグラニュー糖のみでも可)と水を、お玉に入れて火にかけます。
上がってくる気泡が、大きくゆっくりになってきたら、ほんの少し重曹を入れて、間髪入れずに棒で素早く混ぜまくります(ホント、その位の勢いでお願いします)。
カルメラがぷくーっと膨らんできたら、お玉を濡れたフキンの上に降ろして固まるのを待ちます。
固まったら、もう一度軽く火にかけて、表面を少しだけ溶かします。
端っこを棒でグイと押して、お玉からはずし、お皿にのせてできあがり。
出来ばえやいかに…
で、上の2つが”かろうじて”成功と呼べるものです。(^^;
エラソーに「焼き方」なんて書いてみましたが、難しいですわコレ…。
この2つも、表はきれいですが、裏返すとスカスカなんですよね。
本来は、裏もぷっくりまん丸のはずなのですが、月面のクレーターのようです。(^^ゞ
そして、これが累々と築き上げられた、失敗作の山です。(笑)
中には糸をひいてアメ状になってしまったものもあります。(涙)
クソ暑い中、ずっとガスコンロの前で格闘していたので、もう汗びっしょりです。
姪っ子よ、この努力に免じて「ぺっちゃんこカルメラ」でも許してくれたまえ。
形はともかく、味はちゃんと『カルメラ焼き』なんだからさ…。(^^;
で、
この失敗作の山をどうしよう?
と思っていたのですが、こちらも味はちゃんとカルメラだったので、
懐かしいなぁ
と、家族がチョビチョビついばんでいったようで、数日したらキレイに無くなっていましたとさ。
メデタシメデタシ。
もうちょっと、涼しくなったら、再チャレンジしてみようっと。
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カルメラ焼きの思い出
ところで皆さん、カルメラ焼きって通常はどこで購入されるでしょうか?
たいていは縁日の屋台ではないか? と思うのですが。
高校生の頃、親指ぐらいのサイズのカルメラを袋詰したものが、パン屋さんで売られているのを見た記憶がありますが、あまり日常的にお店で売っているものではないような気がします。
「じゃりんこチエ」に、カルメラを売っている兄弟(ホントの兄弟ではなかったと思いますが)が出てきますが、彼らもおそらくテキ屋さんでしょう。
私が子供の頃に行った近所の縁日には、カルメラの屋台はありませんでした。
カルメラというものの存在は知っていたのですが、実際には、見たことも食べたこともないという期間が、結構長かったと思います。
「キャラメル」や、プリンの「カラメル」とよく似た言葉の「カルメラ」という響きは、とても魅力的でした。
何だか、とんでもなく美味しいもののような気がしていましたね。(^-^;
嗚呼カルメラ…、我が憧れのカルメラよ…。
もう食べてみたくて仕方がなかったのですが、そこら辺には売っていないので、ますます思いはつのります。(笑)
ある日、母に
カルメラって食べたことある?
と尋ねてみると
カルメラ焼くお玉あるで
と、予想もしなかった返事が返ってきました!
何てこと! 憧れのカルメラが、我が家で製造可能だったなんて!(笑)
そんなわけで、おじいちゃんに焼いてもらい、ようやく食べることができたのでした。
ちなみに、おじいちゃんは、私より焼くのがずっと上手だったので、ちゃんと”まん丸い”カルメラを食べることができましたよ。(^^)
小さなお茶会
もう少し大きくなってからも、カルメラは私の好物でした。
ある日、『小さなお茶会』という、ネコの夫婦のまったりとした日常を描いたマンガにも、「カルメラ」が登場しているのを見つけました。
旦那さんネコの”もっぷ”が、満月の夜に、ストレートティーを飲みながらカルメラを食べていて、「満月を食べているような気分だ」というようなことを言っていたと思うのですが、それを読んだ私は、今度は
嗚呼満月…、我が憧れのストレートティーwithカルメラよ…。
と、カルメラへの思慕が再燃したのでした。
つくづくマンガに影響されやすいヤツです。(^^;
しかし、その時そばにおじいちゃんの姿はなく、カルメラのお玉もどこにあるかわからない状態だったので、この思いは、長い間(結構何年も)片思いでした。
完全に大人になったある春の日、私は友人たちと『造幣局の通り抜け』に出かけました。
屋台が盛況で、田舎町の縁日では見かけないような、飲み屋さんや見世物小屋などの屋台をながめながらブラブラ歩いていると…、
ん? んんっ?
カ、カルメラ焼きぃ?!
な、何と! 屋台です! カルメラの屋台ですぅ~!!(感涙)
焼いていたのは、ガラの悪い兄弟ではなく、普通のオバチャンでしたが、我が家で焼くのよりも、白くて大ぶりなカルメラがたくさん並んでいます。
メロンパンぐらいの大きさはありますね。(^^)
そうかー! コレが満月なのかー!
ハイジがクララの家で白パンを見た時のような思いに満たされ、もう桜なんかどうでも良くなった私は、即「カルメラ焼き」を購入、潰さないように気をつけて持ち帰り、せっかくなので夜のうちに、無事にストレートティーと共に頂きました。
カルメラをかじって、紅茶をすすります。
お口の中で、カルメラがじゅわ~っと溶けていきます。
嗚呼、至福の時よ…。
こうして、私のスタンダードなカルメラの食べ方は、約20年ほどかけて、ようやく完成したのでした。
皆さんも、是非お試しあれ! =^-^=
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