【事業復活支援金】計算式の正しい理解と落とし穴について解説

生活

2021年12月20日に、令和3年度補正予算が成立し「事業復活支援金」の給付が正式決定しました。

内容は、

2022年3月までの見通しを立てられるよう、コロナ禍で大きな影響を受ける事業者に、地域・業種問わず、固定費負担の支援として、5か月分の売上高減少額を基準に算定した額を一括給付します。

というものです。

その後、給付額を算定するための計算式も発表されました。

※2022年1月18日、事業復活支援金サイトがオープンしました。

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事業復活支援金の算出式

計算式
経済産業省のPDFより

パッと見は単純な計算式ですが、上の説明と下の※部分がわかりづらい説明で、

この月ならいけるでしょう!

と選択した月で計算すると、最終的に算出された給付額が0円になってしまい、

えーっ、どゆことー⁉

という、落とし穴的な事態に見舞われることもあります(笑)

いや、その穴私が落っこちたんですが…(^^ゞ

そこで、この落とし穴に落ちることなく、正しく計算法を理解するための手順を解説したいと思います(^^)v

具体的な手順は、以下の通りです。

  • 2021年11月~2022年3月で、売上高の一番低い月を選ぶ
  • 2018年から2020年(1月以降は2021年)の同月と比較し、売上高の一番高い年を選ぶ
  • 売り上げが30%から50%以上減少しているかどうか確認する
  • 計算式に当てはめて、受給額を算出する

詳細は、落とし穴ポイントを含め、後ほど解説します。

月次支援金の申請に慣れている人が陥りやすい誤解だと思うのですが、計算式が単純なだけに、暗算で頭の中だけで計算してしまい、

あれ?

ということになりがちです。

これを回避するには、面倒くさがらずに「紙に書き出す」ことをお勧めします(^^)

それでは解説、行ってみよう!

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事業復活支援金について

概要

あらましは、先に述べた通り

2022年3月までの見通しを立てられるよう、コロナ禍で大きな影響を受ける事業者に、地域・業種問わず、固定費負担の支援として、5か月分の売上高減少額を基準に算定した額を一括給付します。

となっており、実質的に業種やエリアが限定されていた「一時支援金」や「月次支援金」と比べても、より多くの事業者が受給できる可能性があります。

開始時期は「現在準備中」なので、経済産業省のHP をチェックしつつ発表を待ちましょう。

※1/18 日程発表がありました。

開始時期
経済産業省PDFより

受給対象者

受給要件についての確認です。
事業復活支援金の受給対象者は以下の通り

事業復活支援金対象者
経済産業省PDFより

持続化給付金(現在は申請受付終了しています)は、売上が前年同月比50%以上減少していることが条件でしたが、今回の事業復活支援金は30%~50%減少でも申請可能になり、要件が緩和されています。

加えて、3年前までさかのぼって比べることができるので、この点でも受給要件を満たす可能性が拡大されていると言えるでしょう。

申請について

※現時点(1/11)での予想を含みますので、詳細は正式な発表以降に経済産業省のHPでの確認をお願いします。

申請方法

基本的には電子申請。
ただし、必要に応じて、電子申請に支障がある申請者のためのサポート会場を設置するなどの対応は実施されるようです。

必要書類

確定申告書、売上台帳、本人確認書類の写し、通帳の写し、その他中小企業庁が必要と認める書類。

事前確認

不正受給や誤って受給してしまうことを未然に防ぐため、申請希望者に対して、事業を実施しているか、給付対象等を正しく理解しているか等を事前に確認するための、登録確認機関による事前確認が必要です。

ただし、多くの国会議員のツイートにもあるように、一時支援金や月次支援金を既に受給している事業者は、事前確認は不要の方向で動いているようです。

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算出式と具体的な手順

個人事業主を例にシミュレーションしてみます。

 11月12月
売上高510
2021年売上高(単位:万円)
 11月12月1月2月3月5カ月合計
2018年~19年3030252045150
2019年~20年2020151530100
2020年~21年520551550
2018年11月~2021年3月対象期間の売上高(単位:万円)

2021年11月の売上高が50,000円、12月の売上高が100,000円

2018年は、単月の売り上げが30万、5ヶ月の売り上げが150万

2019年は、単月の売り上げが20万、5ヶ月の売り上げが100万

2020年は、単月の売り上げが5万と20万、5ヶ月の売り上げが50万

実際には、こんなふうにキリ良くはなりませんが、このモデルで計算してみます。

①売上高の一番低い月を選ぶ

まず最初に、2021年11月と12月の売上高で、低い方を選びます。

(現時点で売上高が確定しているのはふた月だけなので、受給額を算出してみて受給に満たない、または希望通りでない場合は、1月から3月の売り上げ確定を待って、改めて計算してみましょう)

モデルケースでは、11月の売り上げの方が少ないので11月を選択します。

計算式の右側の()内「対象月の売上高」は50,000円ということになります。

計算式

②2018~20年(1月以降は2019~21年)の同月と比較、一番高いものを選ぶ


次に2018年から2020年の同月(11月)の売り上げを比較して、一番高いものを選びます。

(対象月に1月以降を選ぶ場合は、2019年から2021年の同月の中から選ぶことになります)

モデルケースの場合では、2018年の売上高が一番高いので、2018年11月の300,000円を選択することになります。

③30~50%以上売上減の確認

30%から50%以上の売上減になっているかどうか確認します。

2018年11月が30万円、2021年11月が5万円なので、50%以上の売上減で、対象月の条件クリアです。

④計算式に当てはめて受給額を算出する

実際に計算式に数字を当てはめてみます。

計算式

計算式の左側の()内「基準期間の売上高」には、2018年11月から2019年3月までの5カ月間の売上高の合計150万円が入るので、

150万− 5万×5 =125万

給付の上限額が50万円なので、このケースでは給付額は50万円となります。

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落とし穴ポイント

私が落ちた「勘違い落とし穴」ですが、実はこの事業復活支援金の一次情報に計算式はありませんでした。

一次情報を見た時点で、

50%以上減の月、あった! 満額もらえそうw

と、胸をなでおろしていたのです。

そんなことで喜んでいたらアカンのですけどね(笑)

それで、計算式が発表になってからも、しばらくはあまり気にしていませんでした。

ある日、

一応念のために計算しておくか…。

とやってみたら、0ではないですが満額には届かないことが判明!

️なぜそんなことになるのかというと、毎回もらえていたわけではありませんが、私は「月次支援金」の試算を毎月していたので、月ごとの50%以上減だけを念頭に置いていて、「対象期間5カ月間」というのが完全に頭から抜け落ちていました。

先程のシミュレーションでも、こんな間違いはしないとは思いますが、対象月に12月、基準期間に2020年を選んでしまうと、

50万−10万×5 =0

となり、12月という対象月単月での売上高自体は50%減にもかかわらず、給付額はゼロということになってしまうのです。

「いざ申請!」と入力を進めていって、

ひゃーっ

ということにならないように、事前に紙に書き出してしっかり確認しておくことをおすすめします。

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生き残りをかけた工夫とは?(※1/20追加訂正)

ところで、実際に申請する際には、入力していくだけでシステム上で計算されるので、

わざわざ事前に自分でやることはないのでは?

と思われる方もいるかもしれません。

ですが事業者としては、「いつ、いくら入金があるのか? 」といった事は、事前に把握しておく事が大切です。

それに加えて、少しでも多く資金を調達するのも大事なことです。

今回試算してみて「受給要件に足りない」とか「受給はできるけど満額にはならない」といった場合には、「取引先に入金時期をずらしてもらう」といった、工夫をしてみてはいかがでしょうか。

大手の取引先にそういったことをお願いするのは難しいと思いますが、相手先がなじみのある個人商店だったりする場合は、入金を早めるのは難しいですが、先に延ばしてもらうのなら、引き受けてもらいやすいのではないでしょうか。

ある意味、利益操作と言えなくもないですが、取引上問題のある行為とは思えないですし、このご時世ですから、実際に

入金少し待ってもらえませんか?

という事例はいくらでもあります。

「生き残りをかけた工夫」ということで私はアリだと思うのですけどね。

あくまで個人の感想で、推奨はしていませんので、そこはご理解くださいませ(笑)

※1/18公開の概要資料の中で、これは給付要件を満たさないとの明記がありました。

給付要件注意書き
PDF 2頁より

謹んでお詫びと訂正させていただきます。

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